訪問看護のオンコールの憂鬱

訪問看護のオンコール

訪問看護には通称オンコールというのがありまして、私の勤めていた訪問ステーションの事業所では「携帯当番」と呼んでいました。時間外に利用者様からかかってくる電話を受ける係です。
私の事業所では正職員が1〜2日ずつ携帯を持っていました。
かかってくる電話の内容としては、状態が変化した患者様自身や、心配したご家族から訪問の依頼がある事もありますが、ケアについての相談や、訪問やデイサービスのキャンセルの依頼だったりで、訪問の必要の無い場合がほとんどだったりします。
訪問の必要があれば事業所へカルテや訪問カバンを取りに行き、訪問しなくてはなりません。

 

私はパート要員だったので当番が回って来る事はありませんでしたが、当番に当たったスタッフはずっと気が重かったそうです。
いつかかってくるか判らない電話を気にして入浴中も気が気じゃないし、家族に携帯を預けて入浴している時に限ってかかってくるのだとか。濡れた髪のまま電話を受けていて風邪をひきそうになったり、夕飯の準備を終え、さあ食べようという時に呼び出しがあって、夕飯も食べないまま患者様宅へ向かわなきゃだったり。
中には、ご家族がオムツ交換が苦手な為に、大量の排便がある度に呼び出しをされるお宅もありました。ヘルパーさんは時間外契約が無いので全部訪問看護に来ていたようです。陰部洗浄をしていると、当の患者様とご家族がクイズ番組を観て楽しそうに当てっこをしていたりするとか。そんな時はとお腹を空かして仕事をしているのが空しくなるのだそう。とはいえ、放っておけば褥創が悪化する事は目に見えているので訪問しない訳にはいかないのですが。

 

オンコールは10日近く誰からもかかって来ない事もありますし、毎日のようにかかって来る事もあります。
ターミナルの方の状態が悪化した時等は、通常の訪問を頻回にしているのですが、それでも時間外に呼ばれる可能性もとても高いので、携帯当番は日中の状態を把握する為にも優先的にその患者様のお宅をまわって貰う事になります。そんな訳で私のようなパート職員はターミナルの患者様への訪問はぐっと少なくなります。事業所によってはパート職員にも携帯当番をさせる所もあるそうですが。
深夜の訪問が朝方までかかったりしても、翌朝の訪問はありますから、眠い目をこすりながら出勤しなくてはなりません。でも、そういった場合は所長以下、他のスタッフもフォローに回って、なるべく早く帰って休めるように協力します。